マルドゥック・アノニマス3 沖方丁
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マルドゥック市の中枢部に食い込んだハンターは、共感(シンパシー)をもって新興勢力を〈クインテット〉に引き入れ、戦力を拡大していく。その様を見せつけられたウフコックは、対抗できる「善の勢力」を結集するため孤独に奔走する。自らにとって唯一の善なる存在、バロットには何も知らせず、ただ新たな道を歩む姿を見守ると決めて。ウフコックとハンター、それぞれの計画の機が熟したとき、両者の全面衝突が始まろうとしていた。


☆マルドゥックシリーズの最前線アノニマス。最初期からのウフコックとバロットのコンビが、相変わらず健在なのは、ファンとしては何より。しかしながら、長期シリーズの難点も出て来ていると思う。私の読み手としての問題でもあろうけど、いろいろ忘れて来たのである。
 今巻で、ハンターに幽閉されたウフコックを、バロットが救出するラストに、バロットってエンハンサーに対抗出来る能力の持ち主だっけ? と思ったのが、それ。アノニマスを独立した話として楽しむには、ハードルが高いと思うのだ。アノニマスはまだまだ続き、終わりが見えないのだけど、マニアしか読まないシリーズに、なってしまっているのではないだろうか。


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