チャイナ蜜柑の秘密 エラリー・クイーン
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出版社の経営者であり、切手収集家としても有名なカーク。彼が外からエラリーと連れ立って帰ると、一人の男が全てが逆さになった密室状態の待合室で死んでいた。謎だらけの事件をエラリーが鮮やかに解決する


☆エンタメ作としてはとても面白かったが、本格ミステリの謎解きを楽しむには、異文化理解の壁を感じるばかりだった。例えば聖職者の衣装なんて、ちっとも知識がないので、ネクタイうんぬんのくだりは疑問符だらけ。それに、私は仕事でもノーネクタイなのだが、ネクタイをしてない男性はアメリカでは奇異なんだろうか? でも普通にいるでしょ、そんな人いくらでも。

 「本陣殺人事件」を想起したけど、この密室を作る物理トリックは私の理解力を超えている。が、何よりもここ数年来ノーネクタイの人間として、推理を楽しむ前提に、文化の違いと言う大きな隔たりを感じる作品。まあ、こんな事に難癖付けるのは、本格ミステリの読者としてルール違反なんだろうね。



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