最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1 筒井康隆
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ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。健康ファシズムが暴走し、喫煙者が国家的弾圧を受けるようになっても、おれは喫い続ける。地上最後のスモーカーとなった小説家の闘い「最後の喫煙者」。究極のエロ・グロ・ナンセンスが炸裂するスプラッター・コメディ「問題外科」。ツツイ中毒必至の自選爆笑傑作集第一弾。


☆忘れたものも含めて全作既読の筈。それでも圧倒的に面白い。「ヤマザキ」のセリフではないが説明は何もない、つまり問答無用の面白さだ。
 又日本社会の批判的内容が多いが、それが全く古びておらず、むしろ今日の状況を予言していたかのように読めて、作者の天才ぶりを再認識した。「最後の喫煙者」で描かれているのは、新型コロナ集団ヒステリーに陥った日本社会そのものじゃないか。


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