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刑事・加賀恭一郎、日本橋へ。 日本橋の片隅で一人の女性が絞殺された。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。手掛かりをくれるのは江戸情緒残る街に暮らす普通の人びと。「事件で傷ついた人がいるなら、救い出すのも私の仕事です」。大切な人を守るために生まれた謎が、犯人へと繋がっていく。


☆ミステリーとしては凡庸な内容。中盤以降に真犯人が突然現れるのも、感じが良くない。
 が、加賀の捜査が柔らかくて人情に溢れ、相手に警戒感を抱かせないのは非凡である。事件の核心とは無関係なエピソードを積み重ねる構成も、リアリティーがあって巧みであった。
 このシリーズ全体の伏線としては、大いに意味のある内容だけど、今巻だけの評価は「3」とする。
東野圭吾レビュー一覧