左翼も右翼もウソばかり 古谷経衡
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「主義という病」を斬る!

もうウソにはうんざりだ。
いかに事実と異なろうとも、人は見たいものを見てしまう。
「日本は戦争前夜」「若者が政治に目覚め始めた」「福島はまだ危険だ」「中国はもう崩壊する」……左翼は常に危機を煽り、右翼は耳に心地いい情報だけを信じる。
巷にあふれる言説の多くは、論者の身勝手な「願望」の反映に過ぎない。
注目の若手論客が、SEALDS,集団的自衛権、安保法制、安倍内閣、朝日新聞、原発事故、中国脅威論からクール・ジャパン、若者論まで、通説・俗説のウソを一刀両断! 騙されずに生きるための思考法を提示する野心作。

まえがき

序 章 〝やましさ〟と同居する願望

第一章 「二つの吉田」誤報事件と朝日新聞の「願望」

第二章 福島が危険であって欲しい、という願望

第三章 安倍首相が「危険な政治家」であって欲しい、という願望

第四章 「若者の右傾化」というウソ

第五章 「若者の草食化」「若者の○○離れ」というウソ

第六章 「クールジャパンで文化外交」という願望

第七章 「中国は滅亡する」という願望

終 章 願望よりも意志を持て


☆著者の主張は、全編に渡って極めて全うなものと感じた。懐疑的ながら自民党支持と言う私自身の気持ちにもほぼシンクロしているようでもあった。終章は特に彼の考え方を端的にまとめたもので、願望を廃し科学的根拠に基づいて自ら判断する意志を持て、と言う主張に私は全面的に賛成である。
 タイトルでも明らかなように、特にネット上の「左翼」にも「右翼」にもケンカを売る姿勢の論客は貴重だと思う。本書のレビューでも、明らかに偏向した人達の低評価が沢山あるが、具体的にこの部分が間違っている、と指摘されていないことからも古谷さんの正当さが逆に担保されていると感じた。まあ、私はただの素人だから、具体的な事実内容が正しいかどうか判断出来るわけではなく、古谷さんに騙されてるのかも知れないが。

古谷経衡レビュー一覧