遠まわりする雛 米澤穂信
☆落ち穂拾い的な薄味ミステリ短編集。古典部の男女4人の恋愛を含めた微妙な間柄を主軸に描かれている青春もので、このシリーズのファンなら楽しめると思う。話が短くなった分ミステリ成分はさらに薄まっており、やや特異なキャラの心理描写に馴染めないと厳しい。初めの一編で合わないと思ったら、止めた方が良いと思う。本書の高校生たちはあまりスポットを浴びることのない文化系部活に属し、リアリティも感じられるのは確かなのだが、一般的な青春もので想像される世界とはかなり違う。万人受けする内容ではないと思うのだ。
繰り返すが、このシリーズのファンなら十分楽しめる。知らない人がいきなり第4巻を手にするのは珍しいと思うが、念のため。アニメ版でこの最終話に感動したのだが、映像の力が大きかったのだと再認識。
米澤穂信レビュー一覧
省エネをモットーとする折木奉太郎は“古典部”部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭りだが、連絡の手違いで開催が危ぶまれる事態に。千反田の機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になる彼女は奉太郎とともに真相を推理する―。あざやかな謎と春に揺れる心がまぶしい表題作ほか“古典部”を過ぎゆく1年を描いた全7編。
☆落ち穂拾い的な薄味ミステリ短編集。古典部の男女4人の恋愛を含めた微妙な間柄を主軸に描かれている青春もので、このシリーズのファンなら楽しめると思う。話が短くなった分ミステリ成分はさらに薄まっており、やや特異なキャラの心理描写に馴染めないと厳しい。初めの一編で合わないと思ったら、止めた方が良いと思う。本書の高校生たちはあまりスポットを浴びることのない文化系部活に属し、リアリティも感じられるのは確かなのだが、一般的な青春もので想像される世界とはかなり違う。万人受けする内容ではないと思うのだ。
繰り返すが、このシリーズのファンなら十分楽しめる。知らない人がいきなり第4巻を手にするのは珍しいと思うが、念のため。アニメ版でこの最終話に感動したのだが、映像の力が大きかったのだと再認識。
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