快楽主義の哲学 渋澤龍彦
51BN0XP9SVL__SX322_BO1,204,203,200_


精神の貴族たれ! 三島由紀夫が激賞した幻の名著。新しい時代にふさわしい新しい哲学。
人生に目的などありはしない。信ずるべきは曖昧な幸福にあらず、ただ具体的な快楽のみ……。時を経てますます新しい、澁澤龍彦の扇動的人生論。
人生に目的などありはしない―すべてはここから始まる。曖昧な幸福に期待をつないで自分を騙すべからず。求むべきは、今、この一瞬の確かな快楽のみ。流行を追わず、一匹狼も辞さず、世間の誤解も恐れず、精神の貴族たれ。人並みの凡庸でなく孤高の異端たれ。時を隔ててますます新しい渋沢龍彦の煽動的人生論。
目次
第一章 幸福より、快楽を
第二章 快楽を拒む、けちくさい思想
第三章 快楽主義とは、何か
第四章 性的快楽の研究
第五章 快楽主義の巨人たち
第六章 あなたも、快楽主義者になれる
解説・浅羽通明


☆「哲学」などと銘打たれているが、思い付きを連ねた軽妙洒脱なエッセイ集であり、真に受けるとバカを見る。基本的な作者の主張は誠にもってその通りと思うが、実践するのは二の足を踏まざるを得ない。古今東西の「快楽主義」の実践者達のエピソードを読んで楽しめば良く、こんなエッセイに細かくケチを付けるのは野暮であろう。
 どうも実用書っぽく売り出され、しかもかなり売れたらしいのがおかしい。真に受けて実践した人はいないと思うが。「快楽主義」の思想を受け止め、その姿勢で人生を楽しみたいものだ。


澁澤龍彦レビュー一覧