「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい 森達也
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死刑存続論者の多くは、「死刑制度がある理由は被害者遺族のため」と言う。しかし、著者は問う。「自分の想像など被害者遺族の思いには絶対に及ばない。当事者でもないのに、なぜこれほど居丈高に、また当然のように死刑を求められるのか?」本書は、死刑制度だけでなく、領土問題、戦争責任、レイシズム、9・11以後、原発事故、等々、多岐にわたる事象を扱う。日本に蔓延する「正義」という名の共同幻想を撃つ!


☆死刑制度についての内容なのかと思いきや、話は多方面に及ぶ。いわゆる左寄りの人なのかと思うが、同意出来る話も多く、思想的に会わないなと思っても一読の価値はあると思った。
 全編を通して、当然と思いそうな事を疑う姿勢が伺え、是非はともかく必要な事だと思う。例えば、オウム事件の謎を解明するために、教祖を死刑にする前に話させる事が必要だったと言う主張は、私の考えた事もない視点だった。
 日本の置かれた現状について、いろいろ考えさせる本だと思う。社会問題に興味がある人に。



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