三国志(二) 群星の巻 吉川英治
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権勢を強める董卓は無謀な遷都を強行、民衆の苦しみは深まる一方だった。暴政に耐えかねた大臣の王允は、董卓とその臣下の呂布を対立させるべく、絶世の美女、貂蝉を使ったある計画を実行に移す―。魅力あふれる英傑たちの活躍を描く傑作歴史ロマン、第二巻。


☆昔の中国の戦乱時代だからやむを得まいが、残虐さのスケールが桁違い。日本の幕末などかわいいもので、現代人の感覚からは引いてしまうのは否めない。

 それはともかく、今巻では縦横無尽に暴れ回る呂布が主役。着々と勢力を増しつつある曹操との対決でも無敵の強さを見せるが、傾国の美女貂蝉の命を賭した色仕掛けに翻弄されて失意のまま逃亡を余儀なくされる。三国志一の筋肉バカとは知っていたが、めちゃくちゃに人間臭くて面白かった。

 友達にするには危険過ぎる男だけどね。


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