涼宮ハルヒの溜息 谷川流
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ハルヒが、長門が、みくるが角川文庫に襲来! 5ヶ月連続刊行第1弾!

私の人生は涼宮ハルヒからの影響が大、なのです。――乃木坂46 松村沙友理(解説より)


「世界が普通すぎる」という悩みを解消するため、涼宮ハルヒが立ち上げた謎団体SOS団。その目的は宇宙人未来人超能力者を探し出して一緒に遊ぶことだが、すでに宇宙人(以下略)の不思議的存在に出会っていることにハルヒは気づかない。活動目的を果たせないまま、来る文化祭でハルヒが映画を上映すると言い出した。撮影中俺たちは、ハルヒの思いつきで起こる世界改変に振り回されて―!?
巻末インタビュー:松村沙友理(乃木坂46)


☆アニメで既に見ているのだが、やはり面白くスラスラと読むことが出来た。世界を改変する力を無自覚に持つハルヒを、SOS団員は観察するしか出来ないと言う、ドタバタ喜劇を可能にするSF設定が素晴らしく、わがまま勝手に暴れ回るハルヒが生きている。いくらでも話が作れるこの設定を思い付いた作者は天才的である。
 またラノベライター全般かも知れないが、まるでアニメ化されるのを前提に書いてるように感じられた。みくるなどはアニメでこそ映えるサービス満点のキャラで、認めたくない人もいるだろうが、一大ブームを巻き起こした一つの要因は萌えと言うか、エロ要素だと私は思う。
 第一巻ほどのインパクトはないが、唯一の普通人「キョン」がハルヒ女王様お気に入りのキーパーソン。あまりの暴走ぶりをキョンにたしなめられたハルヒが機嫌を損ねて世界が不安定になり、仲直りするよう仲間に頼まれたキョンが世界を救うためにハルヒの前向きさを認めた場面が今巻のハイライト。一読の価値があると思う。


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