珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように  岡崎琢磨
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シリーズ累計185万部突破、大人気シリーズ「珈琲店タレーランの事件簿」の最新作がいよいよ登場!
アオヤマが理想のコーヒーを探し求めるきっかけとなった女性・眞子。11年ぶりに再会した彼女は、どこか悩みを抱えているようだった。
後ろめたさを覚えながらも、アオヤマは眞子とともに珈琲店《タレーラン》を訪れ、女性バリスタ・切間美星に引き合わせるが……。
眞子に隠された秘密を解く鍵は――『源氏物語』。平安の王朝絵巻を背景に、美星の推理が冴え渡る!


☆今巻はまるまる長編で、アオヤマが中学生時代恋心を抱いていた年上の女性と何年も後に再会したと言うシナリオにそって、美星が超人的な推理能力を発揮する。実は再会するまで彼女から深刻で謎めいた手紙をもらっていたと言う伏線があり、本格ミステリならアウトっぽいが。不倫とか自殺とかあまり楽しくないモチーフだが一応うまく収束しているし、最後に活劇を持って来るのも手慣れていて結構面白く良む事が出来た。
 ただ、「日常の謎」を描くキャラミスとして厳しいと思ったのは、美星やアオヤマと言った主要キャラの魅力なさである。源氏物語を暗号のように使うアイディアは面白いと思うが、調べた内容を吐き出された感じで、普通の読者なら読み飛ばすと思う。又、不倫騒動に関わるキャラがエキセントリックで、その行動に共感出来ない。など、いろいろ残念な点も目立つ内容だった。


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