わかりやすさの罠 池上流「知る力」の鍛え方 池上彰
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コピペやフェイク紛いの「エセ情報」が、インターネットやSNS、さらには新聞や日常会話にまで溢れている。安易な「わかりやすさ」を売りにするバラエティ番組は、事態をさらに悪化させている。私たちは、どうすればホンモノの「情報」や「知識」を得られるのか? ニュースの世界における「わかりやすさ」の開拓者が、行き過ぎた“要約”や、出所不明の“まとめ”に警鐘を鳴らし、真の情報探索術を伝授する。日本で最も「わかりやすい」解説者がその罠について論じた、池上流・情報処理術の決定版! 【目次】序章 「わかりやすさ」への疑問/第一章 その「わかりやすさ」、大丈夫ですか?/第二章 ネットの「真実」の向こう側/第三章 「知る力」を鍛える/第四章 「わかりやすさ」のその先へ


☆私は、近年テレビでもよく見かけるこのお方、一体何者なのか全然知らずに、著作本を読んでいた「池上初心者」である。本書は池上氏が現在に至るまでの経歴が述べられ、彼の立ち位置や考え方などが伺える内容だった。そもそも一般人に「わかりやすい」ニュース解説を心掛けて来た池上氏が、あえてそこに潜む罠を告発する内容は刺激的でかつ彼の良識ぶりを示すものだ。池上氏はジャーナリストであって、政治家ではないわけだ。
 本書では又、オールドメディアとの付き合い方が参考になった。例えば私は新聞を取らず、ニュースはネットやテレビで仕入れれば良いと思っていたが、それは危険だった。新聞や活字本を推奨する池上さんの論調には説得力があり、ネット中毒に陥りがちな現代日本人へ警鐘を鳴らすものである。テレビの内幕や海外有名人の知られざる素顔なども面白く読み応えがあった。


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