涼宮ハルヒの暴走 谷川流
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ハルヒの進撃は止まらない! 連続刊行中シリーズ第5巻!

ハルヒには、「物語」のあらゆる要素が詰まっているのです。――平野綾(解説より)

夏休みを満喫していた俺を襲った、奇妙な違和感。その原因は朝比奈さんからの涙混じりの電話によって判明する。終わらない夏休みに終止符を打ち、秋には宿敵・コンピ研とのゲーム対決に挑み、迎えた冬。冬合宿(マーダーゲームつき)が開催されたわけだが、殺人事件の前にSOS団全員が雪山で遭難するという非常事態が発生する。さらに頼みの綱の長門が熱で倒れてしまい、SOS団発足以来の最大の危機到来!?


☆これはあくまで私個人の妄想的解釈だが、この話は終わらない夏休みの観察で壊れてしまったAIが人間に恋をしてしまったのだ、と読んだ。その結果、ハルヒに嫉妬して「消失」となったのではないか、と。
 さてアニメを先に鑑賞した私としては、史上最悪の暴挙「エンドレスエイト」に触れておきたい。終わらない夏休みの繰り返し「エンドレスエイト」は「終わりのない8月」なのだろうが、8話連続でほぼ同じ話を続けたのが確信犯の誤読で、リアルタイムのTVアニメ視聴者は驚愕したに違いない。私は後から、一応8話全部視聴したのだが、どこに違いがあるのかよくわからなかった。さすがに小説の原作は繰り返したりしてなかったが…単純なストーリーとしては、ハルヒの提案で夏休みにやるべき事をSOS団がガンガン消化する話で、合宿・プール・盆踊りなどなど、楽しい話。ハルヒを初め、かわいい女子3人の浴衣姿を拝めるなど、むしろ羨ましくなるくらいだが、それをひたすら繰り返されるのは笑い事ではない。実際天文学的な回数を観察したために、観察者も壊れてしまい、と言うのが私の解釈である。
 「消失」の前後を描いた今巻だが、後を描いた雪山遭難事件はSF的解釈が難解で、正直私の手に余った。長門の変容をどう捉えるかによって、評価も変わる気がする。


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