ファウスト〈2〉ゲーテ
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追求の精神の権化ファウストは、行為の人として“大きな世界”での遍歴に入る。享楽と頽廃の宮廷から冥府に下った彼は美の象徴ヘレネーを得るが、美はたちまち消滅してしまう。種々の体験を経た後、ついに彼は、たゆまぬ努力と熱意によって、人間の真の生き方への解答を見いだし、メフィストーフェレスの手をのがれて、天上高く昇る。文豪ゲーテが、その思想を傾けつくした大作の完結編。


☆前巻が予想以上に面白かったので期待して読み始めたが、第一章がいきなり難解で参った。戯曲なので舞台上を想像しながら読んでみたが、ゲーテがこの場面で何を表現しようとしたのか皆目わからないのだ。第二章に入ってセイレーンなどの知っているキャラが出て来て少しは面白くなったが、第三章に入って又わからなくなり、結局文庫で300ページ以上読んだところで読破を断念。
 決して面白くなかったわけではないが、作者の意図がわからない読書はさすがに辛い。その理由はやはり当時のドイツの教養人なら理解出来た西欧古典の知識がないのが大きいのではないかと思う。完全に無視した詳細な脚注を手掛かりに読めば違ったのかも知れないが大差はなかっただろうと思う。読み切れなかったのに評価するのは気が引けるが、特別に西欧古典の教養も持たない凡人としては高い評価はし兼ねる。これから読もうとする人に警鐘を鳴らす意味で評価3としたい。


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