暗黒女子 秋吉 理香子
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ある女子高で、最も美しくカリスマ性をもつ女生徒が死んだ。
一週間後に集められたのは、女生徒と親しかったはずの文学サークルの仲間たち。
ところが、彼女たちによる事件の証言は、思いがけない方向へ――。
果たして女生徒の死の真相とは?全ての予想を裏切る黒い結末まで、一気読み必至の衝撃作!


☆あっと言う間に読んでしまったように、とても面白かったのだが、アマゾンでのレビュー評価の低さに驚いている。



 私はミステリとして読まなかったのだけど、「予測も付かない」ような意外な結末ではなく、まあたぶんコイツが一番のワルなんだろうな、と予想が付く展開。たぶんミステリとしては、どこかで読んだような感は免れないだろう。それにあまりにも現実離れしたお嬢様女子校の設定で、リアリティはまるで感じられない。



 でもそれがどうだと言うのだ。これだけ面白くあっと言う間に読める小説を悪く言うのは私には理解出来ない。そのレビュー自体に上から目線の自己満足を感じてしまうのだ。



 もとより文学的素養のない私だけど、この小説は本当に面白くて感心した。願わくば、当初期待していた女子校内での性的イジメなんて要素が入ってたら良かったのだが。



 あ、そうか。俺が書けば良いのか。などと雑念が入ってしまう優れた舞台設定と構成で読ませる、ウェルメイドなミステリと評価したい。


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