MISSINGPARTS sideA  the TANTEI stories
g_080slpm66768pl



 Dreamcast用タイトルとして人気を博した本格推理アドベンチャーゲームの「MISSING PARTS」シリーズをPlayStation2向けに移植したタイトル。今作はDreamcast版3作に収録された全6話の内、前半3話をPlayStation2版としてシステム関連に変更を加えリメイクされた。

オーソドックスなシステムと独特の演出がポイントの本格推理アドベンチャーでキャラクターデザインは岸上大策氏、シナリオは西ノ宮勇希氏、音楽は橋本美佐氏を起用している。グラフィックもズームやカメラ位置の変化など、斬新な演出を全編に施していねいに作られている。

Dreamcast版からの変更点はCG閲覧モードやサウンドリスニングモードなど、おまけモードの追加や既読部分のオートスキップ・片手モードなどの便利機能が用意され、より遊びやすくなっている。




☆「ミッシングパーツ」は推理アドベンチャーで決してギャルゲーではないのですが、それでも2人の熟女ヒロインを初めとして魅力は十分。18禁の弊サイト的な視点も交えて応援レビューを書きます。


☆真神 恭介 (まがみ・きょうすけ)
鳴海探偵事務所の唯一の探偵。 見習ながら、事務所の看板。 成り行きでアンティークショップの雑用をするハメに。
kyosuke1


※主人公はご覧のイケ面で性格も良く、家事全般をこなすと言う、結構パーフェクトな設定。唯一の欠点は酒癖の悪さ、と言うかすぐに意識をなくしてしまう所。恋愛関係に鈍いと言うのはお約束で、どう考えてもモテモテなのに彼女はいない。が、最も致命的なのは究極のお人好しである事で、犯人を追い詰めても救ってやろうとするお人好しぶりはリアリティなさ過ぎで、そこに違和感を感じる人は楽しめないと思う。しかし「お人好し」故に犯人とのドラマが盛り上がるわけで・・・


☆鳴海 京香 (なるみ・きょうか)
所長の鳴海誠司の娘。 行方不明の父になりかわり所長「代理」。 探偵業に関してはまったくの素人。kyoka1


☆月嶋 成美 (つきしま・なるみ)
アンティークショップ店主。 明るいのが苦手で、昼間はほとんど家の中。京香とは犬猿の仲?
narumi1


※本作のダブル熟女ヒロインは共に三十路前で主人公より5歳程度年上と言う設定だが、これがいい。主人公にとっては一番身近な女性だが、いろんな意味で頭が上がらない「お姉さん」であって恋愛感情が発生する余地はなさそうである。好対照で犬猿の仲と言う2人だが、容姿端麗、気が強い、ついでに結構エロい(笑)と言う共通点がある。


M-PARTS-sideA-11a
 
 京香さんは主人公の上司に当たるが、彼に輪を掛けて正義感が強くお人好し。話が進むに連れて、かなりのファザコンである事が判明するが、成美と仲が悪い一因が、失踪前の父が自分に内緒で彼女と酒を飲む仲だったから、と言うエピソードがあり、かわいいの一語。料理を作れば量の加減が出来ないし、仕事に関しては恭介に任せきりの困った人だが、脚線美バッチリのミニスカ衣装だし、哲平が盗撮した水着ショットでは目がテンになりそうなど迫力ボディーで、年上なのに守ってあげたくなる素敵な女性だ。

ev3

 成美さんは女王様キャラだが、明るい所が苦手、と言うのがワケありそうで・・・哲平を下僕1号としており、話が進むに連れて恭介、森川、タカ、と下僕が増えていき、男は誰も逆らえないようだ。胸元からハミ乳しまくりの服装で、すぐに暴れる酒乱であるにも関わらず、行きつけのバー「スピリット」では、その美貌で男の集客に貢献している。京香さん以上に困った女性だが、やっぱりかわいい「お姉さん」である。

☆白石 哲平 (しらいし・てっぺい)
 成美の師匠「柏木久蔵」のところの「若いモン」。第3話では 恭介ともに大活躍。
teppei1


※哲平は裏街道専門で、テンションの高いワトスン役。何だか勝手に恭介の親友になるが、3話では大活躍。生死まで共にする真の意味での親友となって、最後まで頼れる相棒だ。


☆鴨居 奈々子 (かもい・ななこ)
 喫茶店のアルバイト女子高生。 想像を絶する新メニュー創作の達人。
nanako1


※奈々子はfogお得意の味覚破壊キャラ。女子高生で主人公と年齢的に第三のヒロインの筈だが、ゲテモノ料理を初め、まるで話がかみ合わないので、とても恋愛対象にはなり得ないように設定されている。バイト時はヘソ出し、セーラー服では超ミニスカでルックスは悪くないのだが・・・

☆氷室 裕 (ひむろ・ゆたか)
県警一課の古株刑事。元刑事の鳴海誠司の部下だったとか。
himuro1


☆森川 直治(もりかわ・なおはる)
捜査一課の氷室の部下である若手刑事。血気盛んで、「探偵」は嫌い。
morikawa1


※氷室刑事と森川刑事のコンビは第一話から常に主人公の遭遇する事件に関わって来る、重要な存在。鳴海誠司の部下だった事から、京香さんを「チビちゃん」と呼び主人公に好意的な氷室に対し、森川は主人公を見るたびに喧嘩をふっかけて来る敵役。だが実は・・・話が進むに連れて森川の行動や態度が伏線であった事が判明して、壮大なストーリーの全貌が明らかになっていく。これがミッシングパーツ最大の魅力だ。

●ストーリー

file 1 <鳴らないオルゴール> 真神恭介(まがみきょうすけ)は、鳴海探偵事務所に勤める唯一の探偵。 所長不在の中、所長代理の鳴海京香と二人で切り盛りしているが、 ひょんなことから京香とは腐れ縁である月嶋成美の経営する アンティークショップの雑用も兼務することに。 ある日壊れたオルゴールがアンティークショップに持ち込まれたことが発端となり、 恭介は名門木原家の養女である盲目の少女、潤と関わることに。 ・・・当主なきあと、木原邸内外で次々に起こる殺人事件。 そして複雑且つ歪曲した人間関係。 恭介は、脇を固める個性豊かなメンツの助けを受け、事件解決のために奔走する。

☆嘉納 潤 (かのう・じゅん)
 名門・木原家に引き取られている盲目の少女。 音楽に非凡な才能を示す。
mpbev8


※一話のゲストヒロイン潤は盲目の美少女で、典型的な「守ってあげたい」妹的なヒロイン。実際に公園で暴漢に襲われたり、廃工場にさらわれたり、最後は犯人に射殺されそうになる危機一髪シーンの連続。救世主として現れた主人公に恋心を抱き、頬を赤らめたりする萌えショットもなかなか。ミッシングパーツで最も正当派のヒロインか。

 一話はキャラクターを紹介し、ゲームシステムに慣れる導入の意味合いがあるようで、なかなか殺人事件が起きない。いろんな場所を訪れるのがかなり面倒で、合わない人は投げてしまいそうだ。が、このくどさがフォグゲーらしい所で、個性的な登場人物との一見事件と何の関係もないようなやりとりを楽しむのがミッシングパーツの醍醐味の一つだ。そしてただの無駄と思われたシーンが何話も後の伏線だったりするのだから、気の短い人には勧められない。

 殺人が起きてからは本格ミステリーの館ものっぽいムードで、なかなか面白い。真犯人も結構意外だが、この話単独ではそれほど特筆すべき内容ではないと思う。が、話が進むに連れてこの事件から既に大きな陰謀に関わっていた事がわかり、俄然盛り上がって来る。クリアは簡単だが、Aランクを得るためやり直したくなるのは必至だ。


file 2 <赤いカメオ> アイドルユニット結成オーディション。 最終審査まで残ったアイドル候補生が謎の死を遂げる。 一度は自殺として処理されたものの、 調査を依頼された真神恭介は様々な不審な出来事に遭遇する。 ネット上で氾濫する噂・・・。そして新たな殺人事件が・・・。 現場に残されたカメオに謎を解く鍵があるのか。 芸能プロダクションとTV局を舞台に錯綜する人間模様に、真神が斬り込む。

☆春日野 唯(かすがの・ゆい)
 オーディション番組で補欠合格したアイドル候補生。 素直な性格で人気急上昇。
ev6


☆桧山 明日香(ひやま・あすか)
 アイドル候補生のひとり。候補生3人のなかで一番人気の正統派美少女。
yjimage55XGJ3R2


※二話のゲストヒロイン唯は、明るいドジっ娘のアイドル候補生と言う、やはり典型的な妹キャラ。ただ天然ぶりがあざとい感もあり、好き嫌いの分かれるヒロインかも知れない。それより本来一番人気アイドル候補生の明日香は、この若さで既に人妻アイドル(笑)みたいな貫禄があって、ルックスも非常にエロい。弊サイトとしてはオススメである。

 話はテレビ局の業界人も含めて登場人物が多く、かなり複雑で長い。正直散漫な印象は拭えないと思う。そして犯人は誰が見ても一番怪しそうな人物で、逆にひねりがなさ過ぎだろう。つまりミステリーとしてはあまり高く評価出来ないのだが、奈々子が正義感を発揮して助けてくれたり、犯人を追い詰めた所で条件によって登場する京香さんと成美さんの幽霊コスプレなど、随所に楽しめるシーンは詰め込まれている。が、何と言ってもこの話で一番印象に残るのは、京香さんの赤いパンツ(笑)成美さんのたとえ話は天才的だ。


file 3 <託されたペーパーナイフ> ことの発端は、探偵真神恭介の良き相棒(?)である哲平に、 元舎弟の亮太から預けられた一本のペーパーナイフ。 亮太は理由も告げずペーパーナイフを託したまま、行方をくらましてしまう。 亮太を探す恭介と哲平は、下町の枕ヶ崎で不良達から中国人の少女「涼雪」を救う。 なんだかこのあたりでは哲平は「顔」らしい。 バーテンのサミーや情報屋のエミーらの協力を得て、 ふたりは事件に巻き込まれていると思われる亮太を追うが、 程なくして亮太からメールを受け取っていた不良達が次々に消える。 そしてまるで恭介を試すかのように、何らかの「見立て」と思われる殺人事件が次々と発生。 次第に明らかになる中国黒社会の存在。 恭介とともに活躍する哲平の出自も明らかに!?

☆李 涼雪(り・りゃんすえ)
 幼い頃両親と死別。父親代わりの威と日本へ。 下町で恭介と哲平に助けられる。
2ev01


※三話はシリーズ最高とする人も多い、傑作シナリオ。最強ヒロイン涼雪とラスボスも登場し、彼の暗躍が目に見えて来るのもこの話からなので、sideAでは絶対プレイして欲しい話だ。
 涼雪はミッシングパーツ全話を通じて最も主人公の心を奪ったと思われるヒロイン。日本語がまだ不自由なのも萌えポイントで、二人切りで夜の街を歩いたり、地下室に隠れたりのシーンで交わしたたどたどしい会話は思い切り恋愛モード。そしてチャイナドレスの涼雪は反則級のエロさだと思う。

 哲平の舎弟の失踪から始まり、涼雪を救う所から急展開するストーリー。これまでと違い、哲平、そして恭介の知り合いが次々に惨殺される事により、犯行に対する怒りと自分の身にも危機が迫る恐怖感が実によく描写されている。ちなみに私は初回プレイ時、焼き殺されてゲームオーバー。次にクリアしてもDランクで被害者最大。結局攻略サイト頼みとなった。子守歌から「見立て」を見破るのが難しかったのだが、この話からグッとゲームの難易度も上がっているようだ。

 終盤に近付き、もしかしたら、と犯人が見えて来てからプレイヤーは絶望を味わう事になる。そうであって欲しくない犯人を追い詰めてしまうやるせなさは五話と双璧だろう。そしてクライマックスで現れるラスボスは完全無欠な悪役で、凄まじい嫌悪と恐怖を味わわせてくれる。ゲーム感覚で虫けらのように殺人を繰り返すラスボスは、いつでも殺せる恭介を生かしておいて楽しむと言うストーリーで、ここもリアルさを求めたらダメだろう。

 ともあれ衝撃的で涙を誘うラストシーン。空を飛んで逃亡したラスボスに今後の期待を抱かせる傑作シナリオだと思う。


参考動画→ミッシングパーツ the TANTEI stories OP 1 (MISSING PARTS)

ゲームレビュー一覧