久遠の絆 -THE ORIGIN
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一つの‘想い’をきっかけに、神代、平安、元禄、昭和、そして現代。転生を繰り返す主人公とヒロイン。 幾千年の時を越えて交錯する愛・誤解・そして遺恨。 複雑に織り込まれた様々な想いを綴る、壮大な輪廻転生ストーリー。各コンシューマプラットフォームで長きに渡り人気を博した、不朽の名作「久遠の絆」が、シナリオを大幅に改編・強化、フルボイス化を実現して、待望のPC版(18禁)として登場!




※名作「久遠の絆」のエロゲ化と言う、ある意味チャレンジャーな企画だが、出来上がったものはめちゃくちゃカオスな怪作だった。
 キャラクター画などは原作からの使い回しが非常に多く、しかも同じ絵を違うシチュエーションで使用すると言うアクロバティックな事をやっており、原作をやり込んだ人間にとっては違和感が拭えなかった。例えば原作では主人公を痛め付ける仇敵だったのが、主人公の優しい父親になっていたのはビックリ。まあ、ネタと思えば腹を立てる所でもないか、と思ったが、こういうのが随所にあって笑える。そしてエロゲ化と言う事で期待?のエッチシーンは、何だかバケモノに凌辱されるようなのが多く、ある意味スゲエなと思った。元禄編でヒロイン2人が磔にされて凌辱されようかと言うのがあったが、SM愛好家として個人的には大ヒット。そしてエロゲとして特筆すべきはヒロイン達全員とヤリまくれるハーレムエンド。私は素晴らしいと思ったけど、原作の純愛路線を支持する人にとってはとんでもないと思えたに違いない。
 エロは別にして、実現されなかった「久遠の絆」の本来の姿として見ると、決して酷い作品ではない。特に日本神話に題材を取った神代編は迫力もあり見事な出来だったと思う。迫力があると書いたが、戦闘シーンがエロでなくグロで18禁と言う感じも受けた。それを受けて平安、元禄、昭和編で、基本的にヒロインは皆別人格として作り直されており、何じゃコリャと思った人が多かっただろうと思う。ただ原作を抜きに考えれば、むしろ描写が丁寧で元禄までは原作を上回る出来ではないか。新しく加わった昭和編は(いろいろ大人の事情があるようだが)妙に短いシナリオだけど、原爆投下と言うテーマを取り込んだ力業は注目に値し、決して悪くはないと思った。
 ともあれ、原作のイメージをぶち壊し「久遠の絆」ファンの多くを敵に回した怪作であるのは間違いない。だがエロゲ化大賛成の私のような汚れた大人にとっては十分楽しめるし、ツッコミ所満載でも評価すべき点も多いカオスな作品だったと思う。


参考動画→『久遠の絆-THE ORIGIN-』デモムービー

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