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別居中だった父親の、突然の事故死から早一ヶ月。
せめて四十九日の間くらいはと、大学の長い夏休みの終わり、
主人公はかねてから予定していた旅行を取りやめ、田舎にある父親の実家へと訪れた。
幼い頃に両親を亡くし、主人公の父親に扶養されていた従姉妹たちも、
悲しみに明け暮れていた日々に決別し、徐々に明るい笑顔を取り戻しつつあった。
心に深い痕を残したまま、主人公を優しく迎え入れてくれる彼女たち。
だが事件は、そんな彼女たちの心を、冷たく非情に引き裂いていった…。


リーフビジュアルノベル第2弾。
マルチエンディングの選択肢形式アドベンチャーゲームです。
1996年に発売され、好評を博した『痕』をフルリメイクした作品。


※LEAFのビジュアルノベルシリーズ、前作「雫」に次ぐ第2弾。ほとんど怪作と言っても良い「雫」に比べると、ずいぶんと洗練され、完成度が高い。又、後発の「久遠の絆」と似た和風伝奇ものストーリーだが、やはりエンタテイメント性ではこちらが上のように思う。「久遠の絆」の方はおそらく数倍のボリュームがあるので、私のようにハマる人間にとっては断然魅力的なのだが、逆にアラも多い。その点「痕」はスキのない内容で、LEAFと言う一大ブランドと、FOGと言う弱小メーカーの違いを象徴しているかのようだ。

 さて柏木家の美人4姉妹と同居する事になった主人公だが、タイプの違うこの4人がそれぞれに魅力的で、長姉から一人ずつエンディングを迎える度に、新たなヒロインストーリーが追加されていくシステムとなっている。しかも初めは必ずBADエンドを経験しなければならず、気楽なギャルゲーと異なって攻略の自由度は低い。

 長女の千鶴は大学生の主人公にとって唯一年上の設定。美人でおっとりした優しい性格の、主人公にとっては憧れの存在。父親や叔父(主人公の父)の変死により、若くして鶴来屋と言う大ホテルの経営者に祭り上げられ、家では母親代わりを務める才女であるが、家事が全然駄目で、とりわけ料理の腕前は殺人的、と言う設定がうまい。おまけに主人公にはかなり露骨な好意を寄せている。

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 惚れているはずの主人公を「殺します」と言い放つ千鶴さん。「久遠の絆」の万葉を彷彿とさせた。BADエンドでは実際に殺されるのだが、本編でこの鬼姿を披露するのは彼女だけだし、エッチシーンの気合いも入りまくり。メインヒロイン級の扱いである。

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 次女梓は受験を控えた現役女子高3年生。乱暴な性格だが、千鶴と対照的に家事万能と言う設定のギャップが良い。そして貧乳揃いの柏木家で唯一の巨乳、レズな後輩に関係を迫られており、意外にもチチを生かしたお色気担当かも。

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 彼女の場合鬼にならない方が強いのかも(笑)。本編ではアッサリやられて陵辱されてしまう。

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 三女楓が恐らくメインヒロインで、一番人気だろうか。無口で大人しい性格で日本人形みたいな黒髪美少女女子校生と言う設定。なぜか主人公と距離を置き、口も利いてくれないのだが、それには深い理由が・・・

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 やっぱり美少女とくれば貧乳だろう、と言う事で、梓より一つ下なだけなのに見事なツルペタロリ体型は反則だ・・・

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 彼女のストーリーからいきなり話が壮大になり、和風伝奇ものがSFファンタジーになってしまった。それはそれで綺麗な話なのだが、さすがに無理があって苦しい。それはともあれ、楓は前世! でも現世でも主役級で、殺されるシーンを含めて見応えのある立ち絵が沢山ある。

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 末っ子初音は完璧な「妹」属性ヒロイン。一応高一の筈だが、「お兄ちゃん」と甘えて来るロリロリぶりは小学生のノリだ。とても良い子でかしこく、梓を手伝う料理の腕前もなかなかのよう。柏木家の長女は料理させてはならない人で、三女も食べる専門。極端な設定だ。

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 主人公と花火をしに出掛けた帰り、初めて見る謎の洞窟に入ってとんでもない目にあっちゃうのだが、夜そんな場所に入るバカはいないと思う・・・もちろん楓を上回るツルペタちゃんであるが、主人公は無理矢理交わって中出しさせられる強烈な展開だ。

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 二度リニューアルされた「痕」の最新版をレビューしたが、客観的に見てやはりこの最新版が一番良い。旧作にはまった人は絵師が変わり声も入って違和感を覚えるのだろうが、思い入れ補正をなくせば初代の絵は感心しないと思う。

参考動画→痕 ~きずあと~ リニューアル - デモムービー

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