ローマ人の物語 (24) 賢帝の世紀(上) 塩野七生
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紀元二世紀、同時代人さえ「黄金の世紀」と呼んだ全盛期をローマにもたらしたのは、トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウスの三皇帝だった。初の属州出身皇帝となったトライアヌスは、防衛線の再編、社会基盤の整備、福祉の拡充等、次々と大事業を成し遂げ、さらにはアラビアとダキアを併合。治世中に帝国の版図は最大となる。三皇帝の業績を丹念に追い、その指導力を検証する一作。


☆ローマ帝国最大の版図をもたらし、公私ともに申し分ない皇帝だったと思われるトライアヌス帝が素晴らしい皇帝であった事はよくわかった。ただ、小説として面白いと言う感想を持てなかったのは事実で、立派過ぎてツッコミ所が皆無では、塩野七生も面白く書きようがなかったのではあるまいか。そういう意味では、小説家泣かせの皇帝だと思ったが、「賢帝」だったと言う後世の評価には納得。

 


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