ビビビ・ビ・バップ 奥泉光
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現代文学のトップランナーが、 AI社会をポップに描いた SFジャズエンタメ巨編! 「僕の葬式でピアノを弾いて頂きたいんです」 それがすべての始まりだった。 電脳内で生き続ける命、アンドロイドとの白熱のジャズセッション。大山康晴十五世名人アンドロイドの謎、天才工学少女、迫り来る電脳ウィルス大感染…。平成の新宿から近未来の南アフリカまで、AI社会を活写し、時空を超えて軽やかに奏でられるエンタテインメント近未来小説!【解説・大森望】


☆ジャズピアニスト・フォギーの登場だけでも、ファンには嬉しいんだけど、奥泉ワールドでお馴染みのモチーフを大量に投入し、全力で遊んでみせた驚愕のエンタメ巨編。光る猫、ロンギヌス物質、フィボナッチ数列、宇宙オルガン、と出て来て、これはあの名作「鳥類学者のファンタジア」の姉妹作だったのか、と今更ながら気付く。

 フォギーの時空を超えた大冒険と言うのは変わらないけれど、往年のジャズオールスターズを初め、20世紀日本の芸能人や文化人が多数出演する超豪華なキャスティング。中でも謎の鍵を握る人物(のアンドロイド)として、大山15世名人が登場するのは、将棋愛好家としては嬉しい限り。

 作者の本気度が伝わり、読んでいてもひたすら楽しかった。どちらかと言えばSF寄りだがミステリ要素も多分に含まれ、多くの人を楽しませるエンタメ小説だと思う。長いのは難点だけれど、私の嗜好にはよく合致して、こんな凄い作品に出会えた事を感謝している。


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