アメリカ銃の秘密 エラリー・クイーン
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NYで華々しく幕を上げたロデオ・ショー。大スターのホーンが、大勢のカウボーイたちを率いて颯爽と馬に乗って登場。天に向かって一斉に銃声をとどろかせた瞬間、ホーンの体は馬上から滑り落ちた。クイーン警視とエラリーは、すぐさま会場を封鎖するが、凶器はどこにも見つからない。2万人の大観衆が見守る中、いかにして犯行は為されたのか。そして全く同じ状況で第2の殺人が起こり…!?大人気“国名シリーズ”第6弾!


☆これぞアメリカンミステリーと言う感じで、演出がど派手。2万人の大観衆が全員容疑者で、事件発生後入り口を封鎖して、全員身体検査して携帯してる銃を調べる、と言うのは絶対物理的に無理だと思ったのは、私だけだろうか。

 うるさい読者が読めば、メイントリックがアンフェアで、どこにもそんな設定なかっただろ、と言われるからだろうか、国名シリーズ中ではあまり評価が高くないらしい。だが、自力で推理を試みたりしない私のような怠惰な読者にとっては、銃の弾道や隠し場所についてのトリックが楽しめて、文句なしで面白かった。もちろんお約束の「読者への挑戦状」も登場し、エラリーの快刀乱麻を断つ名推理でカタルシスを覚えた事は、言うまでもない。

 ど派手な演出と大小のトリックが楽しめる本格ミステリのエンタメ快作と評する。



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