ほのぼのお徒歩日記 宮部みゆき
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わたくし宮部みゆきの初めての小説以外の本であります――。著者初の散文集は、江戸を、日本を「歩く」ことから始まった。赤穂浪士討ち入り後の道のり。市中引廻しのルート。そして、島流しの行き着く先。担当編集とともに歩き、食べ、語り尽くした珍道中。ひとたび読み始めれば、あなたもきっと、ミヤベと「町」を歩いてみたくなる。『平成お徒歩日記』に書き下ろし一編を加えた新装完全版。

☆私は東京から遠く離れた地方都市在住で、めったに東京に行くこともない。それにこの企画自体がかなり昔の話なので、楽しめるかどうかやや不安だったが、全く杞憂だった。特に時代劇ファンでもないのに、自分がずいぶん江戸の町に親近感を持ってることに驚いたのだが、赤穂浪士討ち入りだの、市中引廻しだのを体験しようと言うこの企画、十分に面白く知的好奇心を満たされるものだった。

 宮部みゆきさんも肩の力を抜いた軽妙な文章で、同行した人達と楽しんでる様子が伺え、その人柄にも好感を持った。もちろん小説家としても一流だけど、ごく普通のエッセイなども読んでみたい。


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