賢者の誘惑 呉智英21FSR7SX0RL__BO1,204,203,200_
孔子が、釈迦が、ソクラテスが、思想史の黎明期を築いた「言文一致の哲学」を、世紀末の現代によみがえらせることは可能か。話すように書き、書くように話す―このことによって時代の病いは容赦なく暴き出され、思想の課題が鮮やかに提示された。笑い、怒り、考え、語る、等身大の哲学が、ここにある。


☆闘う思想家呉智英の雑文集、つまり寄せ集めだが、とても面白く、なおかつ彼の民主主義を懐疑する思想もよくわかる好著である。南伸坊と親交があったとは知らず、最後の雑談集は抜群に楽しかった。ハゲ論辺りで笑ってしまい、ヨメと小学生の息子に気味悪がられたのは内緒。   


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