ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) 塩野七生
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一時はローマの喉元に迫る勢いを見せたカルタゴの将軍ハンニバルだったが、ローマの知将スキピオのスペイン攻略に恐れをなした本国から帰還命令を受ける。それを追うスキピオ。決戦の機運が高まる中、ハンニバルからの会談の提案が、スキピオの元に届けられた―― 一世紀以上にわたる「ポエニ戦役」も最終局面に突入。地中海の覇権の行方は? そして二人の好敵手の運命は?


☆「ローマ人の物語」も5巻目だが、カルタゴやマケドニアなどの大国が滅んでいくのがハイライト。ハンニバルも歳を取り、ライバルのスキピオも政敵に敗れて没落する。だがローマもやがては滅亡の道をたどるわけで、生者必滅を強く感じさせる巻だった。


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