創作の極意と掟 筒井康隆
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「痛快無比」「著者の本気がうかがえる」「風変わりで味わい深い創作作法」
朝日、読売、産経、日経ほか各紙で大反響
小説界の巨人が初めて明かす文章論がついに文庫化!
「プロの小説家」というものがどのように成り立っているかを豊穣の中に描いている。――茂木健一郎氏(解説より)
作家の書くものに必ず生じる「凄味」とは? 「色気」の漂う作品、人物、文章とは? 作家が恐れてはならない「揺蕩」とは? 文章表現に必須の31項目を徹底解説。
「小説」という形式の中で、読者の想像力を遥かに超える数々の手法と技術を試してきた著者が、満を持して執筆した21世紀の全く新しい“小説作法”。


☆私はブログでSM小説を書いている。官能小説ではアクセスを集めにくいため実写系コンテンツも半々ではあるが、恐らく日本一アクセスを稼いでいる自負もあるし、掲載している小説の量はどこにも負けないと思っている。ただし質は低俗そのものでせいぜい「落書き」と呼べる程度なので、著作権を主張しない主義を通しており、恐らくネットで官能小説を書いている人達からは白眼視されていると思う。(実はアマゾンで販売されている私名義の作品も、誰かが勝手に売っているもので、私は一銭も貰っちゃいないのです。著作権を主張してないので、文句を言う筋合いでもない)
 さてそういう人間から本書を読むと、自分が「小説」と呼んでいるものが如何に稚拙であるか思い知らされ、絶対小説家には成れないな、と痛感した。こんな書き方をしてはいけない、とハッキリ断言されている内容がいちいち自分に当てはまって、逆に小気味良いくらいだった。昨今ネット上で駄文を書き散らして「小説家」を目指す人が多いと思うが、そういう人は是非本書を読んで思い上がりを知るべきだ。
 まあそういう思惑は別にしても、老大家の遺言あるいは最後っ屁とも言うべきこの作品、非常に面白くて参考になった。取り上げられている作品の数々だけでも、世の中にはこんなに面白い小説があるんだな、と今後の読書の参考になったのである。


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