演劇入門 平田オリザ
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若き天才が全て明かす「芝居作りの技術」。シェイクスピアはなぜ四世紀にわたって人気なのか? 日本で対話劇が成立しづらいのはなぜか? 戯曲の構造、演技・演出の方法を平易に解説する画期的演劇入門書!


☆私は高校演劇とは結構関わりがあり、彼らのための脚本を濫作していた事がある。今でもネット上に公開しているので、年に何回か上演許可依頼が来たりするのだが、戯曲の書き方に焦点を当てたこの本はバイブルみたいに重宝した。
 脚本とは直接関係がないが、近年高校演劇でも着実に平田オリザ的演劇観が浸透して来ていると、私は見ている。例えば聞かせるため観客に向かってセリフをしゃべると言う旧来の常識を無視し、平気で後ろを向いてセリフを語ったりする劇が現れて来たと思う。もちろんその方がリアルな現実を表現しているのである。
 ただ本書は、リアルなままでは駄目な演劇表現に付いて書かれており、興味のある人にはとても刺激的でかつ理論的である。いろんなスタンスで演劇に関わろうとする人全てに有用な好書と評価したい。

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