読書の極意と掟 筒井康隆
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戦時中にひとり疎開した幼少期、演劇部で活躍した中高時代、不本意な営業に配属された新入社員時代、いつも傍らには本があった。いずれ小説を書くとは夢にも思わず、役者になりたかった青年を大作家にしたのは“読書”だった。小説界の巨人が惜しげもなく開陳した自伝的読書遍歴。『漂流 本から本へ』を改題。


☆筒井ファン必携の読書遍歴で綴る自伝。逆ではない。あくまで読書遍歴を記しながら、筒井康隆が半生を振り返ったものだと思う。この天才が、それぞれの時代に何を考え、どんな本を読んだのか、実に興味深い内容である。タイトルから受けるような読書指南的内容ではないので、それを期待すると肩透かしかも知れない。こんな本を読め、とか一言も言ってはいないのだが、筒井ファンなら読みたくなるのは確か。なお、私が読んだ事のある本も沢山あったが、読んだ時の年齢を見て愕然。筒井康隆は子供の頃から天才だったんだなあ。

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