あの頃の想いと優しい夏休み-京都寺町三条のホームズ(11) 望月麻衣
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葵が大学2年生となった夏。大丸京都店での修業を終え、
次の修業までの短い夏休みを『蔵』で過ごしていた清貴のところに、
高校時代の先輩・日野が尋ねてきた。最近、勤めていた会社を辞めたという日野を、
清貴は永観堂に誘う。「永観堂といえば秋では?」といぶかしむ日野だが…。
また、『円生の独白』では、円生が過去が明らかに!
大人気シリーズの魅力が満載の第11弾。


☆大体が辛い評価ばかりしているこのシリーズだが、一応全巻読んでレビューまで書いてるので、駄作と思ってるわけではない。京都や骨董についての蘊蓄話は楽しいし、作者もよく調べて書いてると評価している。ただいかにも女性作家らしい女子の願望充足的な恋愛話が、50代のオヤジには合わないと言うのに尽きる。今巻でも、利休君とか円生とかの男性キャラは、いかにも女性が書きそうな感じで生理的に受け付けなかった。まあ、ホームズこそイケ面高学歴と言う、女性の理想を具現化したキャラなんだけど。
 さてシリーズ読者限定ファンブックみたいな今巻だけど、意外なくらい面白く、高く評価したい。キャラミスと言いながら、ミステリ要素皆無なのだけど、肩の力が抜けてまったりした雰囲気が読んで心地良く、これが本来このシリーズの持ち味なのではないのかと思った。つまり実はミステリ要素は不要だったのだと思う。
 もっともミステリでなければ、私が手に取る事もなかったんだろうけど。


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