聖母 秋吉理香子
51FSm8ZBfrL__SY346_



東京都藍出市で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。事件のニュースを見た主婦・保奈美は、大切なひとり娘も狙われるのでは、と恐怖を覚える。警察は懸命に捜査を続けるが、犯人は一向に捕まらない。娘を守るため、母がとった行動とは。結末を知った時、世界は一変する。驚愕の長編サスペンス・ミステリー!


☆この作品で扱っている犯行は、異常心理に陥った犯人の猟奇的な殺人であるが、叙述トリックを前面に立てた理知的な構成のミステリには合わない感じがした。又「真琴」と言う名前で、男性的なしゃべりだが実は女性、と言うのは、いかにもあざとくて、わざとだとすれば味が悪い。
 やりたかった事はわかるのだけれど、どうにも違和感は拭えず、読後感も今一つ。叙述トリックで、うまく騙されたと言う満足感は得られなかった。


秋吉理香子レビュー一覧