現代矢倉の思想 森下卓
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これが森下理論だ!序盤の大家・森下八段が著す初の本格的定跡書、遂に刊行!強靱な森下理論がシンプルな矢倉を提示する。


☆私は現在将棋自体全く指さないし、そもそも振飛車、それも三間飛車専門なので、この本の内容について何も言えないのが本当のところだ。ただ、学生将棋時代他大学の強豪に言われた言葉で時々相居飛車も指そうとした事があるのは事実である。その人は、強くなるためには相居飛車で序盤からしっかり読む将棋を指さねばならない、振飛車は序盤が楽だからそればかりやってると強くならないと言われたと思う。確かに矢倉を初めとする居飛車の将棋は振飛車より序盤から緊張感を強いられて、強くなれる実感はあった。もっともすぐに面倒になって振飛車1本に戻ったのだが。
 この本をなぜ購入したのか、今となってはわからない。森下プロが実直そうで好きだったと言うのもあった気がするが、社会人になって将棋大会に出ると自分だけでなく相居飛車、特に矢倉の将棋はほとんど見掛けない。(県代表クラスの強い人は別)。米長さんの「矢倉は将棋の純文学」と言う言葉があるが、正直アマには敷居の高い戦法で、私など(アマ三段だけど)振飛車の楽さに慣れてしまうと、もうとても指す気になれない。この本も県代表以上を目指す人には向いているが、初段くらいまでの人間にはとても勧められない。もちろん異論はあるだろうが、矢倉はプロの将棋と割り切ってしまうのが、多くのアマチュアにとっては得策だと私は思う。だってこの戦型になる事自体が少ないのだから。


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