涼宮ハルヒの陰謀 谷川流
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やり残していたことをすませよう、できるだけ速やかに。年明け早々、懸案事項だった十二月十八日未明への時間遡行をすませた俺の前に、今度は八日後の未来から来たという朝比奈さんが現れる。しかも事情を知らない彼女をこの時間に送り出したのは、他ならぬ俺らしい。何考えているんだ、未来の俺よ。同時に存在する二人の朝比奈さんを会わせないため、未来から来た朝比奈さんを自宅に匿うが―!?


☆私の好きな詰将棋用語では逆算型と呼ばれる創作のように感じた。ラストを考えてから、そこに繋がるように作っていく創作法で、最後は当然キレイに決まるが、そこまでの伏線の貼り方などが難しい。この作品の場合、なぜか大人しく塞ぎこんでるハルヒ、と言うのが見事な伏線で、理由がわかった時あまりの愛らしさにやられた。いわゆる「ツンデレ」か。
 馬鹿馬鹿しくも壮大なハルヒの企みにさんざん翻弄されるSOS団のメンバー達も、お互いの絆が一層強化されて、読んでて嬉しくなるようなハッピーエンド。個人の想いを一大イベントに発展させてしまうハルヒに脱帽。


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