シャーロック・ホームズの思い出 コナン・ドイル
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☆ホームズもの第2短編集にして、作者のドイルが最後にするつもりで書いたいわく付きの作品集。私は宿敵モリアティ教授との対決でホームズがなくなったと言うのは知っていたが、実際に読んだのは初めてで、読む価値はあると思った。他にも、ホームズの実兄の登場や、ワトスンの結婚など読みどころは多く、ホームズファンなら読んで楽しい内容と思う。
 しかしながら、現代の目で見るといわゆるミステリとして優れたものはなく、専らホームズと言う特異な人物のキャラに頼っている感じ。正にキャラミスの走りと言ってよいと思う。特に、「宿敵モリアティ教授」などと書いたが、実際には書き込みが全然足らず、最後の対決までただ言葉で煽ってるだけなのは頂けない。失礼ながら、作者のドイル自身が終わらせるつもりで適当に書いたのではないかと思ってしまった。


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