Kanon
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5人の少女と紡いでいく物語18禁アニメアダルトADV。7年ぶりに帰ってきた雪の降る町で、主人公はいとこの水瀬名雪と再会する。子供の頃のかすかな記憶の中にある思い出の町で、主人公は少女たちと出会っていく。たい焼きを食い逃げする少女、月宮あゆ、病弱な美坂栞、記憶喪失の沢渡真琴、夜の校舎で魔物と戦う川澄舞。5人の少女と紡いでゆく奇跡の物語。


※ (厳密にはKEY作品ではないが)「One~輝く季節へ」を「久遠~」や「To Heart2」と同時期にプレイした経験があったので、ほぼ同スタッフなのにこの「Kanon」の洗練ぶりにまずは驚かされた。雪の降る寒い町と言うイメージの美しいプレイ開始画面、そして主人公が名雪と再会を果たすまでのオープニングのビジュアル面の演出は素晴らしいと思った。幻想的なストーリーと相まって、良くも悪しくもメジャー作品なだけはある。音楽もさすがに水準以上の出来。賛否ありそうなのは樋上いたるのキャラクター画で、18禁でこの絵はクセがあり過ぎて萎えると思う。  ギャルゲーの王道で、5人のヒロインそれぞれを攻略するルートがあるのだが、かなり出来にバラ付きがあるように感じた。

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月宮 あゆ <つきみや あゆ>
154cm AB型 41kg
B80 W52 H79
誕生日:1月7日

引っ越し初日、駅前で出会った少女。
食い逃げ途中に運悪く主人公にぶつかったことがきっかけで知り合う。主人公とは別の学校に通っているらしく、その後も放課後の街中で何度となく出会うことになる。

☆ 主人公が記憶を喪失している理由の根幹に関わる少女で、メインヒロイン。一人だけ中学生? っぽい所に秘密があるわけだが、背中に羽根? を生やした印象的な外見。彼女のストーリーは一番力が入っており、途中である程度読めてしまうが、感動的な良い話だ。ただ「奇跡」によって救われてしまうのが、どうしても安易に思えてしまう。救われないと一般受けしないのは「智代アフター」の叩かれぶりでわかるし、「風雨来記」みたいな誰も救われない作品はメジャーに成り得べくもないわけだが。


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nayuki
水瀬 名雪 <みなせ なゆき>
164cm B型 47kg
B83 W57 H82
誕生日:12月23日

主人公が居候することになる親戚の家に住む女の子で、間柄はいとこ。7年ぶりに主人公と再会することになる。主人公と同居することに特に抵抗を感じていない。転校してきた主人公とは、偶然クラスメートになる。

☆てっきりメインヒロインと思いきや・・・常に睡眠不足っぽいネボスケですぐに目がバッテンになってしまう、和ませてくれる同居人。大量に所持している目覚まし時計を借りたため、毎朝彼女の「朝ー、朝だよー・・・」のかえって眠くなりそうな目覚まし音声で始まることになる。主人公の叔母にあたる名雪の母秋子がまた娘に輪をかけた和み系で、何でも簡単に「了承」してくれる優しいお母さん。他のヒロインルートでは(特に真琴)この、ほのぼの母娘家族がよく効いているのだが、名雪ルート終盤の展開ではご都合主義な展開に利用された感が拭えない。「奇跡」が起こってハッピーエンドを迎えるKanon共通ストーリーの中でも、それはないだろ、と言うしかない。名雪はかわいいし、キャラ的には好感度大だけど。

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makoto
沢渡 真琴 <さわたり まこと>
159cm 不明 46kg
B81 W55 H79
誕生日:1月6日

記憶を失った少女。
ただ主人公のことが憎いという記憶だけを頼りに、強引に水瀬宅に居座り、主人公に付きまとう。しかし主人公にしてみれば見ず知らずのその少女に、目の敵にされる覚えなどなかった。

☆「あゆ」ストーリーがメインだし一番人気だろうと思うが、「真琴」ストーリーの出来は突出しており、「Kanon」で泣けるとすれば彼女の話。いわゆるツンデレの部類なのだろうが、いきなり襲いかかって来て強引に主人公と同居し、毎晩笑えないイタズラを仕掛けて来る辺りは、ひたすらウザいだけの存在。キャラ萌えもしないよう、意図的に描いているのだと思うが、彼女の正体が明かされるに連れてウザいだけだった前半の伏線が猛烈に効いて来る。ネタバレは避けるが、こんな荒唐無稽なファンタジー設定で、よくぞこれだけ感動的な家族愛のストーリーを描き切ったものと感心した。もっとも、メインでなくサブイストーリーだからこそ生きて来る話なのかも知れないが・・・


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美坂 栞 <みさか しおり>
157cm AB型 43kg
B79 W53 H80
誕生日:2月1日

主人公が通うことになる学校の1年生。
病気のため長期に渡り休学していたが、主人公と出会い学校に登校するようになる。しかし、普段の明るい表情は、主人公の目にはどこか寂しげに映っていた。

☆「真琴」と対照的に、病気と闘っているらしい健気な美少女と言う好感度の高いキャラ。その割に元気そうなのは、何か秘密が・・・と思いきや、悪く言えば設定が粗いだけ。「真琴」ストーリーのようなファンタジーでなく、下手にリアルな話だけに、設定やストーリーの随所に目立つ甘さが痛過ぎると思う。姉との関係も納得し難い描き方だし、ファンタジーにもリアルにもなりきれない残念なストーリーだった。


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川澄 舞 <かわすみ まい>
167cm O型 49kg
B89 W58 H86
誕生日:1月29日

主人公が通うことになる学校の上級生。
夜の校舎で出会った彼女は、
目に見えない何かを追う日々に生きていた。
だがそんな奇異な行動以上に、笑顔を忘れたような彼女自身に主人公は興味を持ち始め、接してゆくようになる。

☆もっとも「One~」の後継らしいストーリー。毎日夜の校舎で魔物と戦っている、無口で無表情な先輩美少女。実は主人公の忘れてしまった過去の記憶にも関係が・・・と言う話だが、あえてわかり辛く作ったかのような難解さで、舞が切腹! したり、虚実とりまぜたようなストーリーは、恐らく制作者側も完全に整合性を持たせてはいないような気がする。まあ「One~」でも「Air」でも「クラナド」でも繰り返し用いられる、KEYの得意技だと言ってしまえばそれまでだが。

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参考動画→『Kanon』 オープニングムービー

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