Doctor Dolittle's Circus Hugh Lofting
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The doctor needs money to pay off a voyage to Africa, so he joins the circus with the pushmi-pullyu as his attraction. He enlightens a circus owner who cares little for animals, fights against the practice of fox hunting and helps other creatures such as a circus seal and cart horses too old to work.


☆ドリトル先生シリーズも4冊目だが、個人的には小学生の時シリーズ全巻訳書で読破しており、ああ、この話読んだことあるな、と懐かしく読むことが出来た。さて今巻では動物虐待が行われているサーカスに、前回の船旅で負った負債を払うため参加することになったドリトル先生一行。が、当然ながら金儲けで終わるわけもなく、動物の扱いを改善するため奮闘。ついには乗っ取る形で、動物達の理想を実現した「ドリトル先生サーカス」を立ち上げると言うストーリー。正直、ここで終わるラストはしっくりせず、小説としての完成度には疑問が残るが、児童文学ならではのエピソードに敬意を表して最高評価。特に前半のハイライトである奥さんアザラシの逃避行は、はるかアラスカで妻を失った失意で統率力を失った群れのリーダーである夫のもとへ、万難に立ち向かって旅立つ、純粋な夫婦愛が胸を打つ感動的なエピソード。読んでもらうよりないが、波乱万丈の旅路で、途中で大泣きしてしまうアザラシの奥さんの愛らしさも二重丸。その他、正義の人ドリトル先生の人柄が表れた心温まるエピソードがてんこ盛りで、いくら儲けても全く手元に残らず周囲をヤキモキさせるのもお約束だ。


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