絶唱 湊かなえ
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五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵──。奪われた人生を取り戻すため、わたしは今、あの場所に向かう(「楽園」)。思い出すのはいつも、最後に見たあの人の顔、取り消せない自分の言葉、守れなかった小さな命。あの日に今も、囚われている(「約束」)。誰にも言えない秘密を抱え、四人が辿り着いた南洋の島。ここからまた、物語は動き始める。喪失と再生を描く号泣ミステリー。


☆私は湊かなえのファンで、レビューも大抵高評価。恐らく「3」を付けたのも、初めてだと思う。
 この連作、登場人物も共通してるから同じ世界と言う設定なのだろうが、読んだ印象がかなり違い、一作毎は面白いのに、まとめると整合性が取れないと言う奇妙な感想を持った。又、とても丁寧に心理描写がされているが、誰にも感情移入する事が出来ず、こんな事もこの作者では初めて。相性が悪いのか、それとも「号泣ミステリー」と言う惹句のせいなのかも知れない。少なくとも私の涙腺が緩むことはなかった。


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