2019年12月

✩評価5 現代マンガの全体像 ✩評価4 日本衆愚社会 大衆食堂の人々 封建主義者かく語りき バカにつける薬 サルの正義 知の収穫 賢者の誘惑 ...

賢者の誘惑 呉智英 孔子が、釈迦が、ソクラテスが、思想史の黎明期を築いた「言文一致の哲学」を、世紀末の現代によみがえらせることは可能か。話すように書き、書くように話す―このことによって時代の病いは容赦なく暴き出され、思想の課題が鮮やかに提示された。笑い、 ...

知の収穫 呉智英 「本を読むことによって、時代も、また時代の中に兆している変化も、読み取ることができる。本を語ることによって、時代を語ることもできる」該博な知識と明快すぎるほどの論理で、著者は本と時代を読みまくり、語りまくる。一読、こちらも頭がよくなった ...

現代マンガの全体像 呉智英 「マンガこそが日本の世界に誇る最高の文化である」と著者は言い切る。だからこそ、本格的なマンガ論の出現が待たれていたのだ。洪水のように出版され続けるマンガ出版物について、俗論ばかりが語られてきたが、本書の刊行を画期としてマンガ評 ...

サルの正義 呉智英 ☆ただ1人封建主義者を名乗る呉智英の小論集で今でも十分刺激的で楽しめる。私はソ連崩壊を共産主義の敗北、資本主義の勝利だと単純に考えていたけれど、そんなに単純な話ではないらしい。これは民主主義の敗北なのだと言う彼の視点は斬新だった。そし ...

バカにつける薬 呉智英 ☆大衆蔑視が看板の呉智英らしい論戦集。通常プロの論客なら避けるであろう、一般読者にまで喧嘩を吹っ掛けるのは彼の立場なら当然だろうけど、観客と場外乱闘してしまうプロレスラーみたいで、傍観者としては楽しく痛快だ。  もっとも彼自身が寄 ...

封建主義者かく語りき 呉智英 民主主義と人権思想を盲信する世の中にあって、ひとり敢然と「封建主義」を説いた呉智英のデビュー作。サベツ刈りがより徹底され、どんな××の「人権」も絶対不可侵の時代が確立された今、本書の主張と笑いは、一段と新鮮である。 ☆学生 ...

大衆食堂の人々 呉智英 ☆30年ぶりに再読。呉智英の「大衆蔑視」が炸裂し、実に爽快な読後感だった。学生時代に読んで大いに影響され、行ったことのなかった「大衆食堂」をわざわざ探して行ってみたりしたものだ。例えばアマゾンで偉そうに本のレビューを書き悦に入る、 ...

日本衆愚社会 呉智英 自称知識人の無知・無教養を白日に晒す ”もっとも危険な論客”による11年ぶりの新作評論集。衆愚社会と化したこの国の、歪んだ言論状況を毒味たっぷりにあぶり出す。 たとえば、「支那」が禁止用語とされていることに、「差別語ではない」と反論。 ...

競馬どんぶり 浅田次郎 競馬歴三十年、競馬の達人はなぜ身を滅ぼさずにすんだのか? 競馬とは何か? 馬券とはいかなるものか? 競馬という人生最大のゲームの楽しみ方と醍醐味を指南する必勝エッセイ! ☆私は結婚前から競馬に嵌まっていた時期があり、結婚後いろい ...

絶唱 湊かなえ 五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵──。奪われた人生を取り戻すため、わたしは今、あの場所に向かう(「楽園」)。思い出すのはいつも、最後に見たあの人の顔、取り消せない自分の言葉、守れなかった小さな命。あの日に今も、囚われ ...

夜行観覧車 湊かなえ 高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。 遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。 その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。 『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。2013年1月 ...

往復書簡 湊かなえ 高校教師の敦史は、小学校時代の恩師の依頼で、彼女のかつての教え子六人に会いに行く。六人と先生は二十年前の不幸な事故で繋がっていた。それぞれの空白を手紙で報告する敦史だったが、六人目となかなか会う事ができない(「二十年後の宿題」)。過去の ...

白ゆき姫殺人事件 湊かなえ 化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人々への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び ...

贖罪 湊かなえ 15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。娘を喪った母親は彼女たちに言った──あなたたちを絶対に許さない ...

このページのトップヘ